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注文住宅の内装を塗り壁に。特徴と素材をご紹介

注文住宅の内装を塗り壁に。特徴と素材をご紹介
茶茂庵(有限会社 神田陸建築設計事務所)
2021.05.24

塗り壁は、外壁にも内壁にもオススメできる優れた壁材です。見た目の美しさや機能性の高さから、日本だけでなく、世界中で古くから親しまれてきたのが塗り壁です。

そんな塗り壁に憧れながらも、「塗り壁って高そう…」「種類が多くてどれを選べばいいのかわからない」と、塗り壁の家を諦めてしまっている人も多いでしょう。

そこで今回は、塗り壁の魅力や注意点、コストを抑えて塗り壁の家を建てる方法をお伝えします。「塗り壁の家」の写真付き施工事例も紹介するので、家づくりのイメージを膨らませるために、ぜひお役立てください。

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塗り壁ってどんなもの?

塗り壁は、内装材としても外装材としても歴史が古く、今なお根強い人気を誇る壁材です。漆喰や珪藻土、モルタルなどのさまざまな種類があり、最近では費用対効果に優れた「ジョリパット」という商品も人気を集めています。

では、塗り壁とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

塗り壁の主原料は、土や石灰などの天然素材です(人口の樹脂を使ったものもあります)。素材を水と混ぜ合わせてペースト状にし、壁の下地の上に塗り重ねることで、壁として少しずつ仕上げていきます。

お城や蔵などの「漆喰の壁」、昔ながらの住宅でよく見られる「土壁」などをイメージするとわかりやすいでしょう。

塗り壁の特徴

塗り壁には、壁紙とは異なる風合いや魅力的な機能があります。だからこそ、塗り壁は世界中で古くから親しまれてきたのです。

次は、塗り壁ならではの4つの特徴を紹介します。

壁紙とは違う独特の風合い

 

土や石灰などの自然素材を使った塗り壁には、壁紙とは違う独特の風合いがあります。

壁紙にもさまざまなテクスチャのものがあり、中には漆喰壁風のものもありますし、表面に珪藻土を塗った壁紙なんていうのもあります。
しかし、本物の塗り壁の手触りや質感、実際の手仕事ゆえの心地よいランダム性は、住み心地の良さやお家への愛着に繋がります。
写真では伝わりきらないかもしれませんが、壁紙では出せない味や風合いが塗り壁にはあるのです。

職人による手仕事の美しさ

一つひとつの作業を職人の手仕事で進めていく塗り壁には、人の手でしか出せない味わいがあります。同じ素材を使っていても、塗り方を少し変えるだけで、塗り壁は全く異なる表情を見せてくれます。

ぼんやりと壁を眺めているだけでも、職人の仕事ぶりが楽しめるでしょう。

化学物質不使用で健康的

塗り壁の多くは、土や石灰をはじめとする天然素材で作られています。塗り壁には化学物質がほとんど使われていないため、アレルギーやシックハウス症候群の心配も低いでしょう。

塗り壁のお部屋では、小さなお子さんやペットも安心して暮らせます。

調湿・消臭作用

塗り壁ならではの機能の中でも、内装材として使ったときに嬉しいのが「調湿・消臭作用」です。塗り壁には、湿度が高いときは空気中の水分を吸収し、空気が乾燥してくると蓄えた水分を放出する性質があります。塗り壁はカビや結露の発生、空気の乾燥によるウイルスの活性化の両方を防いでくれるでしょう。

また、塗り壁は空気中の水分と一緒に臭いも吸収します。水分と異なり、吸収された臭いは塗り壁の中で分解され、再び放出されることはありません。

塗り壁の主な素材

ここまでお伝えしてきた「独特の風合い」や「調湿・消臭作用などの機能」は、ほとんどの塗り壁に備わっているものです。しかし、塗り壁にもいくつかの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。内装に使われる主な塗り壁について、それぞれどんな特徴があるのか比較してみましょう。

質感コスト調湿・消臭作用
漆喰ツルツル
珪藻土ザラザラ
モルタルマット
ジョリパット調整可能

それぞれの素材の特徴について、詳しく確認していきましょう。

漆喰

漆喰は、真っ白な色合いと滑らかな質感が魅力の素材です。日本の古城や蔵などによく見られる白い壁が漆喰です。

漆喰の魅力は、何と言ってもその高級感にあります。珪藻土やモルタルのようなザラザラとした塗り壁が多い中で、漆喰の滑らかな質感は一際目を惹きます。

ただ、漆喰は塗り壁の中でもコストが高いです。その反面、調湿・消臭作用は珪藻土に劣ります。見た目重視の人にはオススメできますが、機能性重視なら珪藻土やジョリパットがオススメです。

珪藻土

珪藻土は海や湖、川の底に積もった「珪藻」を使った塗り壁です。「藻」という字からわかるように、珪藻は藻の一種であり、植物性プランクトンが化石化したものです。

塗り壁の中でも機能性の高い素材として知られ、火や水に強く、調湿・消臭作用にも優れています。

なお、以前の珪藻土バスマット自主回収から「珪藻土に発がん性があるのでは?」と不安に感じている方もいるかもしれません。

ご安心ください。回収されたバスマットには、発がん性物質である「アスベスト」が含まれていただけであり、珪藻土そのものには発がん性はありません。むしろ珪藻土は、自然素材を使った安心の壁材です。

モルタル

モルタルは、セメントと砂に水を混ぜ、ペースト状にした素材です。塗り壁の中でも価格が低く扱いやすいため、DIYで内壁を補修する人もいます。

色も変えやすいので、費用を抑えて自由なデザインをしたい人にオススメです。

ジョリパット

ジョリパットはもともとフランスで生まれた壁材で、日本ではアイカ工業という会社が販売しています。塗り壁の中でも機能やデザインの幅が広く、安価で扱いやすいのが特徴です。基本的にはザラザラとした質感に仕上がりますが、表面に加工を施し、ツヤを出すこともできます。

デザインと機能の幅広さに対して安価なため、コストパフォーマンス重視の人にオススメです。

内壁を塗り壁にする際の注意点

内壁を塗り壁にするときには、次のような注意点があります。

  • コストがかかる
  • 汚れがつきやすく、掃除がしにくい
  • 仕上がりは職人次第

塗り壁は壁紙にはない魅力がある分、扱いの難しい壁材といえるでしょう。一つひとつの注意点について解説していくので、自分たちに塗り壁が合っているのかどうか、判断するための参考になれば幸いです。

塗り壁にはコストがかかる

比較対象にもよりますが、塗り壁は壁紙と比べてコストのかかる壁材です。特に漆喰や珪藻土は塗り壁の中でも材料費が高め、材料費の安いモルタルやジョリパットを使っても、職人さんの手仕事にお金がかかります。

とはいえ、材料費の違いは大きいです。少しでもコストを抑えたい方はモルタルやジョリパットを選ぶといいでしょう。

また、塗り壁の雰囲気だけを味わいたい方には、塗り壁を模した壁紙である「珪藻土・漆喰クロス」という選択肢もあります。

塗り壁には汚れがつきやすく、掃除がしにくい

表面に凹凸があるという特性上、塗り壁には汚れがつきやすく、掃除がしにくいです。キッチンやダイニングのような汚れのつきやすい場所には、あまりオススメできません。

ただ、表面の滑らかな漆喰は例外です。汚れの種類によっては、消しゴムやメラミンスポンジなどで簡単に落とせるでしょう。

また、汚れも時間が経てば少しずつ壁に馴染み、風合いや味わいへと変わっていくというとらえ方もできます。「汚れが壁の一部になる」というのも、壁紙にはない塗り壁の良さかもしれませんね。

塗り壁の仕上がりは職人次第

最後に、塗り壁の仕上がりは職人の腕前次第です。塗り壁ならではの「手仕事の美しさ」を楽しむために、多少お金がかかっても、それなりの技術がある職人を探しましょう。

どんなデザインの壁にしたいのかをよく考え、職人さんや工務店と意思疎通し、納得のいく出来に仕上げてもらいたいですね。

おすすめ施工事例の紹介

https://mockhouse.jp/project/QDONkYGz3r0L/
内壁・外壁ともに真っ白な美しいお家です。

https://mockhouse.jp/project/gGJdk4RK3PwA/
内壁に珪藻土を採用。無垢の板張りと合わせた調湿効果で快適に過ごせます。

 

施工事例をよく見て工務店選びを

塗り壁の魅力は、天然素材ならではの機能性の高さと、職人による手仕事の美しさにあります。

ただし、一口に塗り壁と言ってもさまざまな種類があり、それぞれ機能も見た目も異なります。塗り壁の家を建てるときは、塗り壁に何を求めているのかをハッキリさせましょう。調湿・消臭作用などの機能を重視するなら、珪藻土やジョリパットがオススメです。高級感のある内装を作りたいなら、艶やかな漆喰を選ぶのもいいでしょう。

内装のデザインがまだ決まっていない方、どの工務店に家づくりを相談するか迷っている方は、なるべく多くの施工事例を見比べてみてください。施工事例を見れば、工務店ごとのデザインの特徴や得意・不得意が見えてきます。

この記事を書いたひと
モックハウスマガジン編集部
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モックハウスマガジンの編集部員。
家づくりの気になる疑問や、知ってほしい情報を日々お届けしています。

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