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親からの資金援助を受けたときに贈与税はかかるの?住宅資金贈与の非課税枠について

親からの資金援助を受けたときに贈与税はかかるの?住宅資金贈与の非課税枠について
2021.08.31

注文住宅を検討したとき、ご両親からも資金援助の申し出があった。というのはよくある話です。
しかしその際不安になるのが贈与税ではないでしょうか。

贈与税とは、財産を譲り受けた際にかかる税金のことです。

しかし贈与税が高くなりすぎると、世代間の資金の流動性が弱まり、経済が停滞してしまいます。
また贈与される側としても、生活や教育の機会が限定される可能性があります。

そのため国からは、様々な非課税の政策が打ち出されているわけです。

本記事ではこれらの政策のなかから、家づくりに関係する「住宅資金贈与の非課税枠」について解説していきます。

なおこの制度は、他の贈与に対する非課税制度と併用することができます。

住宅資金贈与の非課税枠をよく理解して、より負担のない家づくりを計画してください。

※本記事の内容は2021年8月時点のものです。本制度をはじめ各種施策は、国の政策や指針により変更される場合があります。詳細については、あらかじめ住宅会社へ相談するか、国税庁のホームページをお確かめください。

この記事を書いたひと
岩切 健一郎
岩切 健一郎

1986年生まれ。宮崎出身新潟在住のFP。
新潟大学卒業後、コンサルティング会社と外資系生命保険会社を経て現職。
月間PV最大25,000のnoteを執筆。最近は、3歳の娘と公園に行くことが楽しみ。

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「住宅資金贈与の非課税枠」とは

この制度は家づくりや家の増改築のためにお金を受け取るとき、税金がかからない制度のことです。
もちろん特例措置を受けるためには一定の要件を満たす必要があり、非課税には限度額があります。

代表的な要件は両親や祖父母などからの贈与であること、お金を受け取る人が20歳以上であることなど。
また、性能の良い住宅を建てたかによっても、この金額が変動します。

まずは皆さんが一番知りたいところ、非課税になる最大の限度額についてお話します。

非課税の限度額

住宅資金贈与の非課税枠になる最大の限度額は、住宅取得の契約期間や性能の良い住宅を建てたかにより異なります。
ここでいう性能の良い住宅とは、長期優良住宅低炭素住宅のことです。

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仮に2021年4月から2021年12月までに契約した内容であれば、その限度額は1000万円から1500万円となります。

また贈与税には他にも非課税に関する制度があり、相続時精算課税と暦年課税のいずれかを併用することができます。

詳しくは後述する目次の留意点「相続時精算課税」にて説明しますが、仮にこれらを併用したとき非課税になる額は以下のとおりです。(非課税額の上限が1500万円だった場合)

  • 暦年課税の基礎控除額の併用
    基礎控除額110万円+非課税枠1500万円=1610万円 
  • 相続時精算課税の基礎控除額の併用
    基礎控除額2500万円+非課税枠1500万円=4000万円

併用する制度によって贈与税の非課税額の上限が大きく変わることがわかります。
できる限りの控除等が受けられるように、次の注意点も確認してください。

とくに注意が必要なこと

家づくりを計画すると、これまで考えたことのないような予算が必要になります。
資金援助が必要になったり、ご家族から資金援助の申し出をもらうこともありますね。

せっかく援助してもらう大切な資金ですが、贈与のタイミングを誤ったり、税務署への報告を怠ったりすると、特例措置の対象外となってしまいます。

「住宅資金贈与の非課税枠」を利用するとき、あとから贈与について納税を求められないように注意してください。

最も大事!贈与を受けるタイミング

住宅資金贈与の非課税枠を適用するには、第一に住宅ローンを組む前の段階で贈与を受ける必要があります。
そして贈与を受けてからその翌年3月15日までには、その家に居住を開始することが求められます。

※上記の期日までに完成住宅へ引っ越しできない事情があるときでも、入居の見込みがあると判断された場合には、「贈与を受けた翌年12月31日までに居住を開始」できれば特例措置は適用されます。

なお、例えばかなり前もって資金援助を受けてしまうと、住宅の完成や引き渡しの期日が間に合いません。
実際に居住を開始してから贈与を受けた場合も特例措置の要件を満たせません。

そのため住宅会社に相談したうえで、居住を開始する直前のタイミングで贈与を受け取れるよう計画することをおすすめします。

贈与税ゼロでも申告が必要!

非課税の最大限度額に収めるかたちで贈与を受ければ、贈与税がかからないことになります。

しかしこのように、結果として贈与税が全くかからない場合でも、贈与を受けたことそのものは必ず税務署に申告する必要があります。

もし申告をしなければ非課税の特例が受けられないことになり、後から贈与税が課税されてしまうため、十分に気を付けてください。

非課税の条件

住宅資金贈与の非課税枠とは、直系親族からの贈与に対して非課税になる制度のことです。非課税の限度額は住宅の種類により変わります。

非課税の特例を受けるための要件はかなり細かい内容ですので、ここでは新築の場合を前提に、抜粋した要件をまとめます。

贈与を受ける人の要件

  • 直系尊属からの贈与であること
    贈与は、両親や祖父母、養父母など直系尊属から受けること。
    (配偶者の父母・祖父母などは該当しません。) 
  • 20歳以上であること
    贈与を受ける者が、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること。 
  • 所得が2000万円以下であること
    贈与を受けた年の合計所得が2000万円以下であること。
    (住宅用家屋の床面積が40m2以上50m2未満のときは1000万円以下)

建物の要件(新築)

  • 床面積の条件を満たすこと
    家屋の登記簿上の床面積が40m2以上240m2以下であること。 
  • 床面積の半分が居住部分にあたること
    家屋の床面積の1/2以上が住居に使われること。 
  • 3月15日までに住居に住むこと
    贈与を受けてから翌年の3月15日までには、その家屋に住み始めること。

重要な点はこのとおりですが、具体的な要件は国税庁のホームページに掲載されている内容を確認してください。

 

留意点

贈与税を非課税にしたいとき、ほかにも記憶に留めておいてほしいことがあります。

それは併用できる節税対策として、相続時精算課税暦年課税があること。
そして贈与した証明になる契約書を作成しておくとよいことです。

それぞれ要件を満たすかどうか・家庭の事情が関わる等、誰にでも適用できる内容ではないため、必須ではありません。

ただしどちらも贈与を有利にすすめられる大事なポイントですから、念のため以降の留意点もぜひ把握しておいてください。

併用できる節税対策

一般的に多額のお金を譲り受けたとき、「贈与税」として税金を支払う必要があります。

贈与税には「相続時精算課税」「暦年課税」の2種類があり、条件と選択肢にあわせてどちらかを選び納税します。

どちらの贈与税にも基礎控除があり、住宅資金贈与の非課税枠と併用できますが、条件や注意点があります。

詳しい内容はこちらの別の記事で解説していますので、あわせて読んでみてください。

住宅資金贈与の非課税にかかわる「相続時精算課税制度」とは|マガジンを読む|モックハウス
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贈与契約書を作成しておく

贈与を受けるときのもう一つ大切なポイントは、「贈与契約書」を作成しておくことです。

贈与契約書とは、誰が誰に、いつ、何をどのように贈与するか記したもの。
これは贈与を受けたことを税務署へ説明する書面にもなります。

また相続が発生したときに、生前自分がどれくらいの贈与を受けていたかの証明になります。

相続問題については、あとあと誰がどれくらいの贈与をもらっていたか、複雑な話し合いになることもあります。
そのため複数の意味で、贈与を行うタイミングにあわせて「贈与契約書」を作成することをおすすめします。

 

国の施策を利用して家計にやさしい家づくりを

長く住み続ける大切な場所をつくる「家づくり」には、様々な税金がかかってきます。

しかし国では皆さんが住宅を建てやすいよう様々な施策を講じていますから、住宅資金贈与の非課税枠制度をはじめ、ご自身の該当する特例制度や条件を十分に調べてみてください。

税金や制度に関しては、個人で調べるには難しい内容が多いですから、住宅会社や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

国の制度や措置を上手く活用して、税金を納めすぎないよう、家計にやさしいマイホームを計画してくださいね。

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